この本を手にとった理由は、専業主婦の友人から「保育園に子ども入れてよかったと思うことある?
幼稚園と保育園の違いもわからなくて。」と言われたことがきっかけでした。
幼稚園は専業主婦のお母さんが通わせる所、保育園は働いているお母さんが通わせる所という
認識しかなく、その他の点で違いがあるのかなと私自身も気になって調べていたところ、
この本に出会いました。
ただいま育休中の私ですが、ワーキングマザーとして、
この本を読んで思ったことをまとめたいと思います。
子どもを減らしたい国の政策だったら、惚れ惚れしちゃうくらいに完璧だ。
高額な出産・育児費用。なかなか見つからない保育園。不足している育児支援の仕組み。
子育てのしにくい労働環境。「お母さん」に対して異様に厳しい社会の目線・・・。
子どもを減らしたい国の政策だったら、惚れ惚れしちゃうくらいに完璧だ。
本当にその通り!!
その会社の女性の多さや育休をとって仕事復帰する女性の割合の多さによっても変わると思いますが、
まだまだ子どもを持つ女性が働きにくいと感じますね。
会社の上層部が古い考えのおじさんたちだと中々理解してもらえないことが多く、悔しい思いや
もやもやすることも多いです。
本書では、日本には今、二つの大きな社会問題がある。少子化と労働不足だ。
そんな時代に子どもを産んで(少子化解消の貢献)、なおかつ働きたいと思ってくれる
(労働力不足に貢献)お母さんは、本来なら国が表彰してもいいくらいの存在だ。
と述べています。
この部分を読んで正直泣きました笑
少子化と労働力不足に貢献してこの国を支えているのはお母さんじゃないか!!
ちょっと言い過ぎでしょうか?
子どもを産んで育てることは未来への投資だと思います。
本書でも子どもにお金をかけることは子どもがいない人にも影響してくると述べられています。
年金を支えてくれるのは現役世代です。少子化に伴った労働力不足は老後の不安にもつながります。
長期的に物事を考えて女性が子どもを産みたいと思える
社会制度や会社の制度が整ってくれたらいいなと思います。
「お母さん」を大事にしない国で赤ちゃんが増えるわけない
この国では、「お母さん」が日々取り締まられている。
子どもが泣いた時は、「すべて私が悪い」と謝罪することが求められ、
ベビーシッターを使おうとすると「母性がないのか」と糾弾される。
そしてこの国は、「子ども」を大事にするあまり「お母さん」のことを心配しない国だ。
「お母さん」には一般の「人間」以上の規律が課される。
「電車に乗る」ことも、「仕事を頑張る」ことも、「旅行をする」ことも、
多くの人が権利だと意識することもなく、当たり前にしていることだ。
それなのに「お母さん」が同じことをすると社会の反応はまるで変わる。
日本の「お母さん」には基本的人権が認められていないようなのだ。
なぜか一人の女性が子どもを産んで「お母さん」になった途端に、
人間扱いされなくなってしまうのである。
社会ってお母さんに厳しいですよね。
お母さんは子ども、家族の為に自己犠牲して当たり前という風潮は中々なくならないです。
それも本書で述べられているお母さんに求められる「聖母性」
そして「母親と子どもは一体である」という考えがあるからなのでしょうね。
親と子どもは違う個体という意識を徹底させ、「お母さん」と「子ども」を切り分けること。
それが出来たら、お母さんは必要以上に他人の目を気にすることなく、
趣味を持ったり、気軽にお出かけ出来たり、仕事を頑張れる。
そんな理想の社会が作れるのではないかと思いました。
私自身、子どもを持って本当に自分の時間を犠牲にすることが増えました。
もちろん、嫌なことばかりではなく、
子どもを持ったことで幸せな瞬間も数えきれないくらいあります。
しかし、諦めてきたことが多かったのも事実です。
お母さんが趣味を持ったり、気軽にお出かけ出来たり、仕事を頑張れる。
そんな社会が理想ですね。
「三歳児神話」の嘘
三歳児神話とは、「子どもが3歳までは、常に家庭において母親の手で育てないと、子どものその後の成長に悪影響を及ぼす」という考え方のことだ。
だけど、三歳児神話そのものは、国にも公式に「合理的な根拠はない」ものだと否定している。
私はこの本を読んで、初めて三歳児神話は合理的根拠はないと国が否定していると知りました。
そして、これから0歳で次男を保育園に預けて復職することに勇気をもらいました。
私の周りには、0歳で子どもを預けて働いている人が少ないからというのと
母から、やっぱり3歳まではお母さんと一緒にいた方がいいと言われていたからです。
本書で、お母さんたちは子どもから離れた時間を持つことが重要だという研究もある。
と書かれていました。
私自身、1日のうちで自分時間がなく、それが何日も続いた時は、
子どもに八つ当たりすることが多かったように思います。
仕事から帰り、保育園に長男を迎えに行った時すごく愛おしく思えたんですよ。
だから、お母さんにもお母さんじゃない時間が必要なんだと思います。
子どもを育てるというのは想像を絶する大変さです。
本書でも四六時中かわいいと育てられる母親は2割しかいないと述べられています。
(子どもがかわいく思えないことがあると答えた人が8割と記載)
これは母親の性格もあるかもしれませんが、
母親と子どもが常に一体でなければならないという考えがなくなれば苦しめられるお母さんも少なくなるのではないかと思いました。
「非認知能力」を育むことの重要性
「非認知能力」とは、社会性がある、意欲的、忍耐力がある、すぐに立ち直る力があるとか、
広い意味で生きていくために必要な「能力」のことをいいます。
本書では、質の高い幼児教育は学力ではなく非認知能力すなわち生きる力を身に着けることが出来る。
これが、長期計画を実行できる力、他人と働くために必要な感情の制御、
大学進学率や年収、健康、犯罪率に大きく関係する。と説いています。
ここでの幼児教育とは、知育玩具がいいとか、
英語を早くから習わせようといった単に学習能力の向上といったものではないです。
「非認知能力」、つまり「生きる力」を幼児期に集団の中で学ぶことの大切さを説いていました。
日本では、保育園に通った子がその後どのような人生を送っているのか
(学力、健康状態、幸福度)を研究したものがほとんどないそうです。
しかし、アメリカで行われた研究では、
質の高い幼児教育を受けた子どもには成功者が多いという
データがあると本書では述べられています。
質の高い幼児教育を受けた子どもとそうでない子どもと比べて
学力差は年齢が上がるにつれてなくなったが、
どうして質の高い幼児教育を受けた子どもの方が成功者が多いのか?
それは集団生活の中で「非認知能力」が培われるからだそうです。
最近の研究では、「学力」よりも、意欲や自制心といった
「非認知能力」が人生の成功に重要なことがわかっているそうです。
だから幼児期の教育が重要という意味で「三歳児神話」は正しいのですが、
それは「お母さん」一人に任せていいものではないと本書では言ってくれています。
本当にありがたいです。
幼児教育は大事で三歳まではお母さんと一緒がいいと言われたら、
子どもの一生をお母さんが決めると言われているみたいで荷が重すぎますね。
だから社会全体で子どもを育てていくことの大切さを本書は主張していました。
まとめ
この本で書かれていたお金がかからず子育て出来ればという点でいうと保育園幼稚園3歳以上の保育料が無償化になりましたね。
発信しつづけていけばこれからもっと子育てしやすい世の中になるかもしれないという希望がありますね。
お金がかからず、お母さんが幸せに子育て出来る社会制度の拡充を期待したいです。
そして、何より子育ての実態、お母さんの現状を
お父さんである男性、これからお父さんになる男性に知ってほしいです。
男性の協力なくては、現状は改善されません。
どうか男性のみなさん、よろしくお願いします。
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